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第六回はとなび「多業種ネットワークの小さな成功事例について」

      2024/04/25


"はとなび" とは?https://hatogaoka-dc.jp/はとなび



講師紹介

ご多忙の中“はとなび”第六回の講師を引き受けてくださったのは、一般社団法人ときめき岩見沢 理事の津田等氏です。
建設会社である“株式会社カツイ”の代表取締役でもある津田氏は、建設業を通じて多業種ネットワークを広げ、様々な連携プロジェクトを成功させてこられました。

本講演では多業種で連携することの意義を、実際の成功事例からお話いただきました。
当院の多業種連携プロジェクトである“はとなび”の指針となる内容ばかりです。

この記事では、その一部をご紹介させていただきます。

 

カツイの歴史

現在津田等氏が代表取締役を務める株式会社カツイは、大正9年に勝井組として創業し、103年続く、津田氏で6代目となる大変歴史ある会社です。

創業当初より、岩見沢初の近代的ホテルである“岩見沢ホテル”(現在の空知信用金庫本店の場所)や、岩見沢町水道浄水場、北海道職業女子高等学校(現在の岩見沢西高校)、岩見沢光陵中学校、岩見沢小学校、岩見沢町立病院、三笠の萱野橋、岩見沢検察庁(現在の札幌地方裁判所岩見沢支部の場所)、岩見沢市保健所など、重要な施設を建設し、地域の発展に大きく貢献されています。

近年では、100床を有する大型有料老人ホーム(ベストライフ篠路)や、道営住宅 日の出団地などの建設もされています。
道営住宅日の出団地の建設においては、建設部建築局が発注した工事に関し、特に成績等が優秀な者に対して贈られる“北海道建設部工事等優秀賞”を受賞されるなど、その高い技術力が評価されています。

 

株式会社カツイ様HPより引用
https://katzi.jp/news/194/

 

多業種ネットワークの成功事例

本講演のテーマでもある「多業種ネットワークの成功事例」について、ご紹介させていただきます。

レンガプロジェクト 〜岩見沢複合駅舎誕生とまち再生への軌跡〜

駅全焼

2000年12月11日に起きた火事によって、70年近く市民に親しまれてきた、マンサード屋根の岩見沢駅舎が全焼してしまいます。

石炭輸送、鉄道の最前線として発展してきた岩見沢市民にとって、駅舎の消失はショッキングな出来事であったことは想像に難くありません。

ですがこの出来事をきっかけに、市民が団結していくことになります。

 

デザインコンペの開催

「新しい駅舎が21世紀の岩見沢の軸になる」と考え、来るべき岩見沢の指針として全国のJR史上初の“岩見沢駅舎建築デザインコンペ”を開催することとなります。

コンペは「人に優しい街づくり」をキーワードに、駅舎を単なる駅としての機能のみではなく、
まちの顔として
・地域文化を担い、地域交流の拠点となること
・交流人口の増加により、まちを活性化する
この2点を目的に行われました。

全国29都道府県より、376件もの応募が集まりました。
その中から見事最優秀賞に選ばれたのが、ワークヴィジョンンズ代表の西村浩氏でした。

株式会社ワークビジョンズ様HP
https://www.workvisions.co.jp/workvisions/about/

 

刻印レンガ LOVE-BRICKいわみざわ

市民に愛される駅として成長していくために、市民に「一緒に造る喜び」を感じてほしい。
そんな想いから、「刻印レンガ」という媒体を使って市民と一緒に駅舎を造り上げる試みが始まりました。

そうして偶然集まった市民・行政・JR北海道・設計者によって、岩見沢レンガプロジェクトは始動しました。

誰でも参加できる、刻印レンガプロジェクトは「LOVE-BRICKいわみざわ」としてインターネットで周知され、実に4777個もの刻印レンガが集まりました。そしてその寄付元は日本国内に留まらず、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、ブラジル、中国、台湾と、全世界からエントリーがあったそうです。

このことからも、HPをはじめとしたプロモーションが素晴らしいものだったことがわかります。
そしてそれは、津田氏をはじめ、レンガプロジェクトに関わった人々の熱意と団結があったからこそ成し得たことなのだと感じさせられます。

また、駅舎のガラス面を構成するカーテンウォールには232本もの古レールが使用されています。鉄道のまち岩見沢の駅舎としての、粋な計らいがそこにはあります。

5年10年という長い歳月の中で、LOVE-BRICKいわみざわに参加した市民と、津田氏をはじめとする企画運営者の交流がある、このこともレンガプロジェクトの大きな財産の一つなのです。

 

駅舎完成後も市民協働イベントが継続的に実施

レンガプロジェクトは、駅舎が完成してからも終わることはありませんでした。

完成フォーラムや、仮駅舎解体の際の感謝のイベントには、多くの市民が参加しました。
多業種の専門家の情熱が注がれた新駅舎では、クリスマスには子どもたちが作成したオーナメントに飾り付けられ、駅のシンボルであるメタセコイヤの木はイルミネーションで輝きます。
他にも、北海道教育大学音楽専攻の学生によるコンサートや、美術専攻の学生によるアートイベントが開催されています。

このように、岩見沢駅の価値は秀逸な駅舎のデザインのみならず、駅を通じて巻き起こった、まち再生に向かう熱い想いと、その結果生まれた市民交流にあると、津田氏はお話しくださいました。

 

数々の賞を受賞

駅舎のデザイン、そしてその駅舎を活用した取り組みが評価され、岩見沢複合駅舎は実に多くの賞を受賞しています。
リンクから詳細を見ることが出来ます。今一度、岩見沢駅舎の魅力に目を向けてみてはいかがでしょうか?

日本建築学会賞/ グッドデザイン賞 大賞 / 北海道建築賞 / 鉄道建築協会賞 最優秀協会賞 / まち交大賞プロセス賞 / 照明学会照明普及賞 優秀施設賞 / 北海道建築賞 / 北海道赤レンガ建築賞/ BCS賞 / 公共建築賞 [生活施設部門] / ブルネル賞 / アルカシア建築賞

 

グッドデザイン賞審査委員の評価
「JRの駅舎としては、これまでにない画期的な「質」の高さを示している。北海道的なシンプルでクリーンな空間性を持ちながら、決して冷たいものではなく、むしろどこかに温もりすら感じられる。その、計画プロセスにおいては、積極的な市民参画が行われ、刻印レンガとして形態化されている。また、鉄道の聖地という土地の記憶を積極的に活用し、古レールを活用したガラスファサードは巧みである。そして、完成した今日、多くの市民が愛着を持って、駅空間に接していることが、何よりもグッドデザインの証しであろう。」

(グッドデザイン賞HPより引用)
グッドデザイン賞HP
https://www.g-mark.org/gallery/winners/9d6bfada-803d-11ed-862b-0242ac130002

 

 

ナカノタナ再生事業(UV1)

長年親しまれた市場の跡地に何を建てるか

ナカノタナは昭和から平成にかけて長き間、市民の台所として親しまれていた対面式の市場です。
このナカノタナの解体が決まり、その跡地に何を建てるかというとき、津田氏をはじめとした、駅舎再建の際に集まったメンバーで意見を出し合ったそうです。

そこで出たアイデアが、「防音室付きの賃貸マンション」でした。
その背景として、大学生の存在があります。
岩見沢には北海道教育大学の岩見沢校があり、その岩見沢校は国公立としは珍しく、芸術スポーツに特化した分校です。
専攻の一つに音楽文化専攻がありますが、当時は市内に防音室付きのアパートがなく、札幌まで出る必要がありました。
津田氏は教育大の学生を岩見沢の宝と考え、学生に市内に住んでもらうべく、ナカノタナ跡地に“防音室付きマンション”の建設計画がスタートします。

 

官民連携。ファイナンスの勉強会

そこで課題となるのが、資金調達や債務補償です。
資金の仕組みを誤ると、事業が頓挫してしまうリスクが高まります。

そこで注目したのが、官民連携の仕組みであるPFI/PPPです。

日本FPI・PPP協会HP
https://www.pfikyokai.or.jp/about/

 

そして津田氏の掛け合いにより、空知信用金庫が事務局となり岩見沢PFI (PPP)勉強会が発足しました。

PFI、PPPの専門家の方々を講師としたこの勉強会は全7回開かれ、参加した多くの企業がワークショップを立ち上げるなどの経緯を経て、新連携対策補助事業として認定を受けることとなります。

 

アーバンヴィレッジ1

勉強会を経て、市民に愛されていた老朽化した施設が、防音室付きの賃貸マンションへと姿を変えました。

特別目的会社の設立や、国土交通省・全国市街地再開発協会・岩見沢市との連携など、非常に高度なノウハウを用いて、建設され、現在もほぼ満室の状態で運営されています。

完成後は、札幌に防音室付きマンションを借りていた学生がこのアーバンヴィレッジ1に引越し、そして現在も多くの北海道教育大学岩見沢校の学生に利用されています。

株式会社カツイHPより引用
https://katzi.jp/news/194/

アーバンヴィレッジHP
https://www.phildo.co.jp/works/iwamizawa-uv1/

 

岩見沢生涯学習センター“いわなび”

津田氏は、岩見沢生涯学習センター“いわなび”の建設も執り行われています。

いわなびは、屋内運動場・屋内武道場・料理講習室・親子学習室・会議室などの備えた複合型公共施設です。

このような公共施設の建設を地域の民間企業が執り行う例は少なく、津田氏の官民連携のノウハウがあったからこそ成し得たことなのだと感じます。
津田氏が理事を務める「ときめき岩見沢」が、いわなびを運営されています。
ときめき岩見沢は、官ではないからこそ出来ることにチャレンジし、市内で活動する様々な団体や活動を多様な形でつなげ、まちの活性化に尽力されておられます。当院もその連携の輪に加わり、まちの活性化に貢献したいと強く思わされました。

現在も市民公開講座など、さまざまなイベントが開催され、市民の交流の場として活用されています。

株式会社カツイHPより引用
https://katzi.jp/news/194/

いわなびHP

http://iwanabi.com

当院の副院長である相馬靖も、市民公開講座「摂食・嚥下のお話」の講師として“いわなび”を利用させていただきました。
http://iwanabi.com/lecture_guidance.html

 

 

 

終わりに

アクティブシニアを目指そう

まちづくり、そして日本の課題として超高齢化があります。

事実、北海道の65歳以上の割合は3割を超え、2040年には4割を超える勢いです。

そこで、津田氏は介護事業を行なわれている、NPO法人シーズネット理事長 奥田龍人氏のお言葉をご紹介してくださいました。

それが「アクティブシニアを目指そう」です

奥田氏はシニアを以下のように3段階に分け、アクティブに活動することが健康寿命の延伸につながると提唱されました。

・65歳〜74歳 ヤングシニア(働くことを通じて社会貢献をする)
・75歳〜89歳 ミドルシニア(ボランティアで社会貢献する)
・90歳〜    スーパーシニア(社会参加する)

2023年現在でこれを見た方は驚く方も多いかと思いますが、5年・10年後にはこのような考え方が主流になっているかもしれません。
本格的に人生100年時代が到達したときに、65歳を超えても働いて、75歳を超えてもボランティアをして、90歳を超えても社会参加をするという、生きがいのあるアクティブな生活が、健康、そしてまちづくりには必要なのではないでしょうか。

 

コレクティブハウス(岩見沢方式の検証)

そんなアクティブシニアを増やすヒントが、北欧発祥の住まい“コレクティブハウス”にあると津田氏はお話ししてくださりました。

コレクティブハウスとは、それぞれが独立した専用の住居とみんなで使ういくつかの共用スペースを持ち、生活の一部を共同化する住まいです。
自分や家族の生活は自立しつつも、血縁にこだわらない広く豊かな人間関係の中で暮らす住まいの形です。

シェアハウス(ルームシェア)との違いは、トイレ・浴室・キッチンなどが個別の居住空間にそれぞれあるという点です。

共用スペースには入居者とコミュニケーションを取れるウッドデッキがあったり、図書館、中庭、プール、ジムや、プライベートビーチを有するコレクティブハウスもあるそうです。

子育て世代、独居老人、ひとり親家庭、親の介護、学生など、様々な世代の人々が生活の一部分を共同化することで、足りない部分を補完しあって生活することができます。

このコレクティブハウスの岩見沢方式を確立することが出来れば、アクティブシニア、そして共助のまちづくりを促進できると学ばせていただきました。

 

謝辞

津田氏の「多業種ネットワークの小さな成功事例について ~はとなびのミッションを受けて~」のご講演の一部をご紹介させていただきました。

業種が違えど、同じ想いを持った人々が集まることで大きな成果を生み出すことが出来ることを、貴重な資料とあわせて大変わかりやすくご説明いただきました。

当院も歯科・医療の立場から、市民同士の繋がりを広げ、人生100年時代を自分らしく生きられるまちづくりに貢献したい所存であります。

地域連携をより一層強めるパートナーとして、今後とも宜しく御願い申し上げます。

 

この度、鳩が丘歯科クリニックの新たな挑戦である “はとなび” にお力添えいただき、また、素晴らしいご講演をいただいた津田等氏に、深く感謝申し上げます。

お問い合わせ


鳩が丘歯科クリニック

〒068-0828 北海道岩見沢市鳩が丘3-1-7
中央バス「幌向線」「緑が丘・鉄北循環線」岩見沢バスターミナルで乗車
「岩見沢市役所前」で下車。バス停から徒歩5分です。

https://www.hatogaoka-dc.jp/


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