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第四回はとなび「最期の選択肢を支える連携」

      2023/09/21


"はとなび" とは?https://hatogaoka-dc.jp/はとなび



講師紹介

ご多忙の中“はとなび”第四回の講師を引き受けてくださったのは、南空知薬剤師会 会長を務めながら、配食サービス会社の代表や、がんサロンピアサポーターなど、実に多岐にわたってご活躍されている、水島久美氏です。

ご自身の乳がんの経験や、ご両親を20年近く自宅で介護された経験から、一人ひとりがその人らしい最期を選択できる社会の実現に向け、多職種の連携に尽力されています。

その人らしい人生を支える連携についての、貴重なご講演内容を紹介させていただきます。

 

配食事業 クック123 合同会社くみんご
https://takuhaicook123.jp/search/city?prefecture=北海道&city=岩見沢市

グリーフを学ぶ会 
https://www.facebook.com/griefhokkaido/?locale=ja_JP

ケアカフェいわみざわ 毎月10日に開催 医療者・介護者・福祉者の交流会
https://www.facebook.com/groups/383498655166345/

 

地域共生社会

まず、水島氏は、目指すべき社会として「地域共生社会」についてお話ししてくださいました。

地域共生社会とは、
『人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、「住民一人ひとりの暮らしと生きがい」、「地域」をともに創っていく社会』
のことです。

それは、「この岩見沢で生きがいをつくれて、楽しく安心感のある暮らしができる」ことだと、わかりやすく教えていただきました。
そのために水島氏は『まちづくり』をテーマに、薬剤師会会長をはじめとする様々な立場から、連携事業に取りんでいらっしゃいます。

 

また、近年のヘルスケアの変遷については、

・場所 「病院」「施設」→ 「地域」

・視点 「医療」「介護」→ 「暮らし」

・手段 「サービス」→「支え合い」

このように、各々が病院や施設に医療サービスを受けにいく、提供するのではなく、暮らしている地域でお互いに支え合うことが目指すべき地域共生社会なのだと、教えていただきました。

 

薬剤師って

薬剤師は、暗い、建物から出ない、処方箋がないと会うことができない職業と思われがちですが、実際はそうではないのです。

現在では多くの薬局で、通院が難しい患者様のもと居宅に訪問を行う薬局が増えてきています。
在宅訪問の患者さんには認知症の方も多く、お薬をちゃんと飲めるように環境を整えたり、継続的なコミュニケーションを通して生活を支えることが、薬剤師の大切な仕事だと教えていただきました。

また、お口の中の状態を確認し、異常があればケアマネジャーに報告するなど、薬剤師の役割が「お薬を配達する」のみではないことは明らかです。

 

 

様々な研修

水島氏は、多岐に渡る研修会を開催されています。

在宅の現場で連携するための研修
医薬品を知る + 現場にあることを知る + 病院・薬局の共有

(研修会)排泄のしくみとおむつ体験
最終的には、おむつソムリエという試験を受験するのです。

ストマの知識 取り扱いについての研修も行っています。
ストマとは、消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便又は尿を排泄するために造設された排泄口のことです。

この医療用品を生産している工場が岩見沢あると知り、驚きとともに、何か誇らしい気持ちにもなりました。
https://www.createmedic.co.jp/company/place/

また、薬剤師とは一見関係があまりないように思える、「コミュニティ力研修」も開催しています。
水島氏がいかに広い視野で薬剤師の役割を考えておられるかが垣間見える内容です。

病院薬剤師と薬局薬剤師の薬薬連携にも注力されており、同じ薬剤師でも立場が違えば連携の場や仕組みが必要なのだと学ばせていただきました。

 

 

訪問薬剤師

Drと一緒に、薬剤師が居宅や施設に訪問することで、その場で投薬の意見交換をすることが出来ます。

また、何よりも重要なのは、ご家族とのコミュニケーションを通して信頼関係を築くことだと水島氏はお話ししてくださいました。

 

 

退院時カンファレンス

退院時カンファレンスとは、病院医師・病棟看護師・緩和ケア看護師・MSWなどの病院のスタッフや、在宅の担当医、訪問看護師、ケアマネジャー・訪問薬剤師とご家族などが参加し、退院後のサービス内容について情報共有するために行われる会議です。

ご本人が望む最期を叶えるために、医療機器の付け替えからベットの設置まで様々な点で協力しあっていらっしゃいます。

 

 

薬剤師の変化

薬剤師の変化について、

飲めたかどうか → 効いたかどうか

に変化していると水島氏はお話ししてくださりました。

単に薬を飲めたかどうかではなく、状態を謎解きする。
そのためには、継続的にお会いし、時間をかけて見る必要があります。それはAIにとって代わられない要素なのではないでしょうか。

 

自然死

人間は脳・心臓・がんのどれかで必ず死ぬ。

選べない死因。
自分の望む死因。

いつか訪れる死について、自分らしい人生について考えてみましょう。

 

介護者のケア

介護者の健康についてもお話しいただきました。

ピンピン100歳の元気で自立した生活ができる母親がいて、一緒に生活しているのは70歳の娘さん。
自立しているとはいえ、家に1人で置いていくなど、目を離せるわけではないため、娘さんが気分転換に出かけることが難しいといいます。
そういう場合は、母親の「いく必要がない」という意見はありつつも、デイサービスやショートステイに行ってもらう事で、娘さんは出かけることが出来ます。

このように、介護者の健康のために、デイサービスやショートステイを利用することは重要なことだと教えてくださいました。

 

選択モデルと順序モデル

日本は選択モデル。人間が延命するかしないかを選ぶという考え方。

欧米は順序モデル。食べない人の食事はさげられ、飲食しなくなって2週間で亡くなる。自然に身を任せるという考え方。

アイヌのことわざに
「枯れるまで生きたら、自然と飲食はしなくなり、ほぼ2週間で命が消える」
という、欧米の順序モデルに似た考え方があります。

延命治療についての考え方は国や地域によって様々だと言うことを教えていただきました。

 

水島氏が、感銘を受けた言葉をご紹介してくださりましたのでご紹介します。

樹木希林の言葉

「今年、あなたはひとつ歳を取る。
その度に、歳相応にとか、
いい歳してとか、つまらない言葉が、
あなたを縛ろうとする。

あなたは、耳を貸す必要なんてない。
世間の見る目なんて、
いつだって後から変わる。
着たことない服に袖を通して、
見たことのない自分に心躍らせる。
ほかの誰でもない「私」を楽しむ。

年齢を脱ぐ。
冒険を着る。

わたしは、私。」

 

水島さんのお父様の最期

お父様が水島氏にかけられたお言葉を紹介させていただきます。

「俺は誰の命令も聞かない。しかし、自分で命を絶つ力はない。
自然に任せて枯れていきたいのだ。
お前に、任せるしかないが、助かる命を助けようと頑張っては欲しくない。
自分もいつか死ぬ時が来るだろう。必ず来る。その時を思って考えてくれ。それが正解だよ!」

いつか必ず来る親の死、自分の死と、そのときにどうありたいかを非常に考えさせられるお言葉です。

 

お亡くなりになる15日前に、小さいおにぎり4個を「美味しかった」と食べて以降何も飲食せず、

最期は家族と犬に囲まれて亡くなったそうです。

水島氏の介護によって、お父様は幸せに旅立たれたのだろうと思いました。

 

薬剤師の変化

医薬分業→医薬協業

日本では明治時代に、薬の処方と調剤を、医師と薬剤師で分業するようになりました。これを医薬分業と言います。
そして、これからは「医薬協業」の時代だと水島氏はお話ししてくださりました。医師と薬剤師が協力連携して、一人ひとりがその人らしく生きられる医療の実現に尽力されています。

さらに、医療関係者に留まらず、近所付き合いなど地域で支え合う「総力戦のチーム医療」がこれららは求められます。

 

配食の仕事

配食会社 クック123 合同会社くみんご
https://takuhaicook123.jp/search/city?prefecture=北海道&city=岩見沢市

水島氏は、年中無休で岩見沢市全域と近隣市町村にお弁当を配達する、配食の取り組みもされています。
1日1食から注文可能で、豪雪の中でも必ず手渡しで、必要であればテーブルやベッドまで届けてくれます。
毎日配食することが多いため、その際に体調など何か変化があればご家族に報告したり、服薬状況のチェックもしてくれるというサービスの特徴があります。
ヘルパーさんがお休みの日も訪問するため、非常に安心です。
しかも驚くべきことに、配達料は無料。
さらに、前日の午前中まで注文を受け付けています(キャンセルも前日の午前中まで可)。
お弁当の内容も「普通食・やわらか食・ムース食・カロリー塩分調整食」から選ぶことが出来るため、飲み込みや咀嚼が難しい高齢な方や、糖尿病の方も安心して頼むことが出来ます。栄養表示にも対応しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水島氏のご厚意により、今回のはとなびでは、試食として5種類のおかずとおかゆを参加者全員にご提供してくださいました。

普通食の、さばの塩焼きとトマトハンバーグは味がしっかりとついていて、そのおいしさはレストランで出てきてもおかしくない程です。
カロリー塩分調整のさばの塩焼きは、想像していたよりも塩味がありつつ、さばの旨味が感じやすいという印象でした。
やわらか食の和風ハンバーグは、食べてその柔らかに驚きました。見た目は普通食とあまり変わらないのですが、ハンバーグはもちろん、付け合わせのブロッコリーなども全て舌で潰せるのです。味もしっかりついていて、おいしく、これなら噛めない人も安心して食事を楽しむことができると感じました。
ムース食は、見た目は元々の食品の形はしていないため、味の想像がつかなかったのですが、食べるとビーフハンバーグの味がしました。食感はムースのためほとんどなく、飲み物に近いとも感じました。そのため、飲み込みが難しい人が食品の味を感じるためには必要不可欠なものだと感じました。


毎日の配食にはもちろん、老夫婦家庭での急な入院時や、退院後体力回復までの期間などで、こちらの栄養に配慮されたお弁当をご利用してみてはいかがでしょうか?

 

おわりに

水島氏の「最期の選択肢を支える連携」の取り組みのごく一部をご紹介させていただきました。

少子高齢化が加速度的に進むなかで、地域で協力し、あなたらしい人生を生き抜けるよう支援に取り組まれているお話をきき、大変感銘を受けました。

地域連携をより一層強めるパートナーとして、今後とも宜しく御願い申し上げます。

この度、鳩が丘歯科クリニックの新たな挑戦である “はとなび” にお力添えいただき、また、素晴らしいご講演をいただいた水島久美氏に、深く感謝申し上げます。

お問い合わせ


鳩が丘歯科クリニック

〒068-0828 北海道岩見沢市鳩が丘3-1-7
中央バス「幌向線」「緑が丘・鉄北循環線」岩見沢バスターミナルで乗車
「岩見沢市役所前」で下車。バス停から徒歩5分です。

https://www.hatogaoka-dc.jp/


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