「よく噛むこと」はいいことだらけ
2023/04/22
「よく噛むこと」のメリット
みなさん一度は病院で、「よく噛みましょう」と言われたり、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そこで今日は、よく噛むことがどう身体に良いのかを解説していきます。
認知症予防になる
これは、よく噛むことで脳血流が増加し、脳神経が活性化することによる影響です。
脳神経の中の 海馬 (記憶に関与)が活性化されることで、記憶力の向上が期待できるのです。
実際に、60歳以上の日本人一般住民を対象とした前向きコホート研究において,残存歯数と認知症の発症リスクとの関連を検討したところ、5.3年間(中央値)の追跡の結果,残存歯数が少ないほど認知症の発症リスクが高くなるという有意な負の関連がみとめられました。
(Takeuchi K, et al. Tooth Loss and Risk of Dementia in the Community: the Hisayama Study. J Am Geriatr Soc. 2017; 65: e95-e100.)2007年もしくは2008年に健診を受診した60歳以上の1996人(参加率86.3%)のうち,認知症を有する167人,歯科検診データのない202人,ならびにその他のデータに不備のある61人を除いた1566人(男性691人,女性875人)を,2012年11月まで追跡。
これは、歯が多く残っている人ほど認知症になりづらいという研究結果ですが、「歯がある」=「よく噛める」と捉えると、噛むことが認知機能に好影響を与えていると考えることができます。
肥満防止になる
よく噛むことで、上記の海馬以外にも、満腹中枢、孤束核 (味覚中枢)が活性化されます。その結果、食べ過ぎを防止出来るうえに、よく味わうことが出来ます。
さらに、味覚への刺激はノルアドレナリンの分泌を促進するため、全身の代謝を上げることが出来るのです。
食事内容を変えなくても、よく噛むだけでダイエット効果が期待できるというのは素晴らしいことですよね。
がん予防になる
よく噛むことで唾液の分泌が促進されます。すると、唾液中に存在するペルオキシダーゼが活性酸素を分解してくれるのです。
活性酸素とは…
酸素分子より酸化力が強い物質の総称で、周りの細胞を酸化させることにより、癌化するリスクを高めるものです。
正常な発育を促す
よく噛むことで歯を支える顎の骨に刺激が加わり、顎の正常な発育を促すことが出来ます。
顎の発育が正常にされないと、永久歯が並ぶスペースが足りなくなってしまうため、歯並びが悪くなってしまいます。
また、唾液中にはNGF(神経成長因子)やパロチン(耳下腺から分泌される成長ホルモン)も含まれるため、よく噛むことは顎だけでなく全身の発育に関与しているのです。
よく噛むためには良い歯が必要
このように、よく噛むことは全身の健康にたくさんのメリットがありますが、よく噛むには良い歯が必要です。
ずっと健康でいるために、噛む機能を維持・向上することが大切で、そのために毎日の口腔ケアをしっかりと行うことが最も重要です。
さらに歯科健診にいくことで自分では難しい箇所のケアや、病変の早期発見ができるので、定期的な歯科への受診をお勧めします。
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